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2014年1月25日 (土)

緩勾配屋根

ご無沙汰しております。

屋根の勾配と屋根材の関係、以前の記事にも書きましたが、

先日、こんな現場がありました。

1
↑ガルバリウム鋼板の心木なし瓦棒葺き(三晃式)

上の屋根、一見なんてことないように見えます。

しかも、一昨年張り替えたばかりだそうです。

が、雨漏りがします!

原因は、、、、

2
↑棟包みを設けてあること!

ここまでの緩勾配(5/100程度)の場合、棟の頂上でも屋根材を見切らず、一枚板で仕上げるのが普通なのですが、、、

聞けば、以前は、ちゃんと一枚で仕上げていたのが、改修工事の際、頂上で半分に切って、半面だけ新しく張り替えたのだそうです。

う~ん、

確かに屋根の軒から軒まで10m以上あり、屋根材成形や荷揚げは大変かなとは思いますが、、、。

この勾配で、このやり方はリスク多いかな~。

中を開けてみたところ、

棟包みのなかでは、しっかり屋根材を立ち上げ、雨漏りを防ぐ努力のあとは見られましたが、この緩勾配では、棟包みの継ぎ手や、棟包みを取り付けるためにキャップに打った釘穴部分から、雨水の侵入を許してしまうのでしょう。

で、根本的に治すには全面張り替えしかないと判断しました。

Img_0294
↑まず、既存屋根材を全部剥がす。

Img_0296
↑構造用合板を張る。

今回、垂木ピッチと屋根材ピッチが異なるので、ビスを野地板に効かすため、

あと、築年数が古い建物なので、野地板の補強の意味もこめて張りました。

Img_0299
↑ルーフィング張りと谷樋入れ替え

この建物は、デザイン上、屋根の軒先は谷樋(内樋)になっていて、雨水はそこに流れ排出されます。

今回は、その谷樋も新しくしました。

8mちかく長いので、現場で、屋根の上で手で折り曲げて加工しました

Img_0300
↑屋根材張り込み

三晃式の屋根張りの様子は、以前の記事にも何度か記載していますので省略!(笑)

Img_0303
↑完成!

このように一枚で仕上げれば、雨漏りしようがありませんよね~。

余談ですが、

本建物、築51年だそうです(驚)

その割には(失礼)、大変しっかりとしているのにはびっくりです。

Img_0309
↑軒の深いデザインが、建物を雨風から守ってくれているのだと思います。

設計された建築家のS先生は、81歳になられるとお伺いしていますので、これは30歳のときの仕事なんですよね。

当時の情熱が伝わってきそう、、、。

Img_0231

↑古民家調で

Img_0229

↑モダンな雰囲気も感じる。

今回は、屋根改修に加え、傷んでいる木部の補修、塗装等を行う予定です。

それにしても、50年以上経った今でも存在感を保ち続けているこの建築、、、。

素晴らしい仕事だと思います。

そして、その価値をわかり、それを大切にしていこうという住まい手の意志にも感銘をうけました。

今回、そんな大切なものを受け継いで残していこうすることのお手伝いができてよかったです。


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